
この記事は、北陸税理士会の研修「中小企業経営承継円滑化法を理解する」のメモ:その1です。
このメモは私の備忘メモであり内容を保証するものではありません、お約束ではありますが、念のため。
写真は、例によって全く本文に関係のない、
敦賀市の駅前商店街にある銀河鉄道999のモニュメント。
その7:迷いの星です。
(そうそう、このブログの右側のカレンダーの上にあるタグで、「松本零士」をクリックいただくと、その他のモニュメントもご覧頂けますよ(^^))
税理士法人川中経営
税理士・ITC 川中重司
タグ:松本零士
・制度の背景
中小企業の企業の事業承継を困難にしている要因の一つが「遺留分」。
相続の際に、事業を承継しない者が遺留分を主張すると事業承継者が困る場合がある。
相続開始前に遺留分の放棄が出来る制度はあるが、家裁の許可を受けなければならない。許可は担当裁判官の判断に委ねられるため、次男の遺留分放棄は認められたが三男の放棄は認められなかった、ということもありうる。
このため、事前に遺留分の放棄を確実に行う制度として「中小企業経営承継円滑化法」が制定された。
例:
父 兄
弟 ←遺留分:25%有る。
(分割例)
・相続財産:現金1億、株式1億
兄 株式 1億
現金 5千万
弟 現金 5千万
・相続財産:現金1億、株式9億
兄 株式 7.5億(注)
弟 現金 1億
株式 1.5億
(注)兄には、現金無し=納税資金無し
1条:目的
遺留分に関し、民法の特例を定める
3条A:推定相続人
推定相続人から、兄弟姉妹及びこれらの子を除く → 遺留分権利者ではないため
4条@
但し書き
既に、長男(後継者)が株式を50%以上持っている場合には、ダメよ。
ポイント:長男が、既に会社の支配権を持っている場合には、この制度は使えない。
一、除外行為:標準かな
遺留分の計算に算入しない。
二、固定合意
遺留分の計算に算入するが、価額は決める。→税理士等が正当な価額として証明した価額に限る。
将来(相続発生時)の株価が上がっても、下がっても、関係なしになる。
4条B:後継者以外の推定相続人がとることができる措置
一、長男(後継者)が、株式を売却等した場合(事業承継をやめた・・・場合)
株式の買い手の事も考え、売却等を「無効」とはしない。
とることができるる措置
→ 損害賠償になるでしょう・・・。
遺留分の計算に加味すれば、自分の相続財産はもっと有ったはず。
(相続が開始している場合には、ですが。)
二、旧代表者の生存中に当該後継者が代表者として経営に従事しなくなった場合
とることが出来る処置
→ 長男の株式の処分、この特例の適用を無いこととする・・・などかな。
5条:長男(後継者)が取得した株式以外の財産に関する遺留分の合意
例:会社用ビルなどの事業資産、抵当権設定の宅地、とかについても株式同様、遺留分の計算に加味しないことを定められる。。
6条
民法上、遺留分は相続人の最後の砦。だから、推定相続人間の公平をはかる措置を設けた。
推定相続人間の衡平を図るための措置は「書面」にて。
(民法上は、合意は書面を必要としないが、この法律は”書面”を求めている。)
6条A
仮に・・・。
長男(後継者)は事業の株式を、次男は同程度の現金の贈与を受けた。
その後、企業は倒産し、長男の株式は無価値となった。
その後、相続開始。長男は次男に対し、遺留分の減殺請求をおこした。
(株式は無価値、現金は価値が有るまま。)
こんな事を防止するためにも、この条項がある。
***ここまでは当事者間の合意レベル***
第7条:経済産業大臣の確認
7条@ 経済産業大臣の確認を受けることが「できる」。
7条A 合意をした日から一月以内に提出しなければならない。
7条B 長男の死亡により、長男と次男の合意は無しになる。
長男の子供が後継者となりこの規定の適用を受けたければ、改めて、子と次男の間で合意をすれば良いから。
第8条:家庭裁判所の許可
8条@ 第7条:経済産業大臣の確認を受けた者が確認を受けた日から一月以内にした申立により、家庭裁判所の許可を受けたときに限る。
8条A 当事者の全員の真意:本人からのヒヤリング、でしょう、多分。
ここで、「許可」が下りない場合もあり得る。
だから事、期間が短い。1ヶ月以内。高齢者は日々衰える、心変わりする。
8条B 第7条:経済産業大臣の確認を受けた者が死亡したときは、その相続人はこの許可を受けることが出来ない
→真意の確認が出来ないため。
第9条:合意の効力
9条A 当事者(兄弟)間、「以外」の者に対する遺留分減殺請求には、この規定は影響しない。
例:父が相続開始の直前に、全財産を母校に贈与をした。この場合の推定増続人の遺留分の計算の総財産には、株式を含む。
第10条:合意の効力の消滅
10条一、経済産業大臣の確認が取り消される。
10条二、長男(後継者)の死亡、
後見開始若しくは補佐開始→会社法の規定により役員になれないため。
10条三、推定相続人の増加→三男が出来た。(出生や認知(^^ゞ)
10条四、当事者の代襲者が旧代表者の養子となったこと。
(その2へ続く・・・)

